ここではアルプス電気のマイクロドライ・プロセス・プリンターによりフルカラーステッカーを自作する方法を紹介します。
t-kondoプロデュース ステッカー作品集
リーザオーナーズクラブ「モナ」のステッカーです。はじめは業者に2色刷りで2200円で印刷してもらいました。現在はフルカラー。
第1回ミート・ザ・トゥデイの記念ステッカーです。受注枚数が多いため業者に依頼して製作しました。毎年イベントごとに色を変えて作っています。
K's PROJECTのステッカー(デザイン1)です。10cm、15cmの2サイズを用意しました。
トゥデイ・タイプRのステッカーデザイン。実際にはtodayの部分だけ自作。typeRの部分はホンダ純正ステッカーを使いました。
トゥデイ・タイプRにつけたアルミホイールTE37のステッカーをオリジナルデザインにしてみました。チャンピオンシップホワイトに塗り替えたので名前もTE37-typeRです。
ステッカーの作り方
準備する物
マルチ定規とは写真のようにローラーがついた定規です。平行したラインでカットするのにとっても便利。霧吹きはなんでもOKです。中身は水にちょっと中性洗剤を含ませたものを入れます。
・カッティングシート(白が基本、または明るい色)
・カッティングシート(透明)
・霧吹き(中性洗剤)
・マルチ定規
・カッター
ステッカーのデザインを描く
これはドローソフトで描く。ペイントソフトではビットマップの画像になるので拡大縮小ができません。ドローソフトなら自由に配色の編集もでき、サイズも自由に変えることができます。
白のカッティングシートに印刷する
このプリンタ(マイクロドライ・プロセス・プリンター参照)のインクリボンは白地に印刷しないときれいな色に発色しません。そこで、ベースとするカッティングシートは白がベストです。しかし、明るい色(黄色、黄緑、水色)などを使用すればその色をバックにステッカーをデザインするとインクリボンの節約にもなりますね。でも印刷時のカラーの発色が変わってしまうので注意。
インクリボンは普通紙のリボンで印刷します。この場合、印刷した後の色は爪を立てるとすぐにはげてしまうので注意が必要です。
印刷には一枚ずつ行うことをお薦めします。なぜかというとカッティングシートの印刷はメーカではサポートしてませんのであまり大きなサイズをプリントすると途中でシートが折れて引っかかることがあります。
応用編:透明なステッカーを作る
透明のカッティングシートに印刷する
白いカッティングシートをバックにすると必ず白い縁が残ります。(残さないと透明シートが剥がれてしまいます)やはりカッティングシートの自由度を広げるためには透明なステッカーを作りたいと思っていました。実は印刷業者でもなかなか透明なシートに印刷してくれるところがありません。数社からできないと断られました。なぜなら透明なカッティングシートは表面に光沢があり、インクがうまく乗らないからです。
このALPSマイクロドライプロセスを使っても同様です。きれいに印刷されません。そこでついに見つけました。きれいに印刷できるカッティングシートがあったのです。ちょっと商品名がわからないんですが、「ジョイフル本田」で入手できる屋外用の薄い透明カッティングシートです。これを使えばきれいに印刷することができました。(多少光沢が低い)
印刷面に中性洗剤を霧吹きでかける
印刷面に傷を付けないように中性洗剤(ウインドフィルムを張る時に使うスプレー)をスプレーします。これは車のウインドフィルムを貼るときと同様の目的です。
UVカットフィルムを貼る
屋外で使う場合はかならずUVカットフィルムを上から貼りましょう。なければ透明なカッティングシートでもOKですが色があせてきてしまいます。印刷した画像よりちょっと大きめのサイズに透明なカッティングシートを切り、シートの裏面にも中性洗剤をスプレーして貼ります。そして、ゴムへらを用いて水分、気泡を取ります。その後、しばらくの間重たい本などで押しておくと良い。
枠をカットしてできあがり
できたシートの枠をカットすれば、オリジナルステッカーの出来上がりです。
応用編のクリヤーシートに印刷したステッカーの例を紹介します。写真の赤い文字部分は透明シートに印刷したものです。ベースがクリーム色なので、白いカッティングシートだと色のアンマッチができるので、かっこわるかったため、透明シートで作り直しました。
!!!注意!!! このカッティングシートの印刷はプリンタの正しい使用方法ではありません。メーカではサポートしてませんので、くれぐれも注意して下さい。この方法によりトラブルが発生しても責任は負いかねますのでよろしくお願いします。
マイクロドライプロセス・プリンター
メーカ | アルプス電気 | |
---|---|---|
印刷方式 | マイクロドライプロセス(熱転写の部類) | |
プリンタ名 | MD-2000S | MD-5000S |
解像度 | モノクロ:1200×600dpi、カラー:600×600dpi | テキスト:1200×600dpi、フォトカラー:600×600dpi、VDプリンティング:2400dpi相当 |
購入金額 | 新品76,800円(平成7年8月) | 中古32,000円【2001.7.8】 |
メリット
このプリンタの特徴はなんといっても熱転写の部類に入るマイクロドライプロセスという技術により、紙質を選ばずに600dpiの解像度を実現したことです。つまり、コピー用紙でもきれいに印刷され、カッティングシートなどに印刷することも可能なわけです。さらに、専用のアイロンプリント用紙を用いれば布生地にパソコンで印刷した画像がアイロンで貼れてしまうのです。これでオリジナルTシャツなども簡単にできます。カッティングシートなどに印刷する場合はラベカフリーという専用インクリボンを使用します。
もう一つの特徴はメタリックプリントができることです。これは専用のメタリックインクリボン(ゴールド、マゼンダ、ブルー、シルバー)を使用すれば通常の印刷と同様に印刷できるのです。
モノクロの場合、スムージング機能により1200×600dpiの解像度で印刷が可能です。これはレーザープリンタに匹敵するくらいきれいです。一見の価値有り。【1997.7.4】
その後、昇華モードを搭載したMD-5000Sを中古で入手しました。昇華モードでは600dpiですがドットがほとんど認識できないので写真と比べても差がわからないくらいきれいです。発色も鮮やか。感動です。
またメタリックインクではシルバーが使えるようになったこと、白色インクなど特殊なインクが使えるのも魅力です。VDプリンティングという機能はドットサイズを可変にしてより2400dpi相当まで解像度をあげるというものですが、いまいち。【2001.7.8】
デメリット
さて、特徴ばかり宣伝してもしょうがないので実際の気になる部分を言いますと、印刷速度が遅い、特にバックグラウンドにすると非常に遅くなり、LC630では使い物になりません。また、インクリボンの消費が速い。これは熱転写ということで仕方のないことかもしれませんが。もう一つは、人肌など、微妙な快調表現が苦手で、発色が悪いです。まあ、カラーシンクに対応した物はある程度改善されるとは思いますが。【1997.7.4】
実はMD-2000Sもそうだったんですが、紙詰まりが激しいです。連続印刷はほとんど不可能。かならずジャムします。結局長続きせず手放すことになりました。【2001.7.8】
他の印刷方法
インクジェットプリンターを使う
最近では一般的なインクジェットプリンターでもステッカーを作ることは可能です。ただし耐久性はちょっと低いです。
まずインクジェット専用のシールタイプのシートを購入します。屋外で使う場合には印刷面にコーティングが必ず必要です。紫外線カットの透明なカッティングシート等を上から覆うことで耐久性をカバーすることが可能です。
印刷ショップに依頼する
マイクロドライ・プロセス・プリンターを手放してからは業者に依頼するようにしています。最近ではフルカラー印刷で1枚から対応してくれるところがあります。紫外線カットのフィルムコーティング等もやってくれます。枚数がたくさんのときはなおさら頼りになるものです。