今回チャレンジしたセルフ・オールペンとはレンタルガレージ”ジュントール”が行っているプライベートチューナー御用達のサービスのひとつです。価格や専門的な内容については右のバナーからジュントールホームページへお越し下さい。ここでは日帰りオールペンの一例として私の経験談を紹介します。
2000.4.16〜5.1 下地作りに専念。
日帰りオールペンとは当日マスキングと塗装を行うので、下地づくりはそれまでに終わらせておく必要があります。私の場合、約2週間かけて塗る部分をすべてペーパーがけしました。白系の色に塗る場合400〜600番のペーパーを使って表面を磨き、塗装の足付けを良くします。また、塗る場合に必要ないパーツはすべて外しました。(マスキングの手間が省ける)
前日に下地の出来を見てもらいにジュントールにおじゃまし、準備の足りないとこがないか確認。そして当日は塗装後に乗って帰るためには朝早くスタートするべきとのこと。当日は7:00スタートの約束としました。
2000.5.2 7:00 ジュントールに到着、パーツ外し
小学校の遠足に行くような気分で目覚め、予定どおり7:00に到着。眠い目をこすりながら作業をスタートしました。まずはペイントしたくないパーツ(ヘッドライト、ドアストライカー、テールゲートヒンジ、モール、ウェザーストリップ、キーシリンダー、ウインカー、コンビランプなどなど)を外しました。
2000.5.2 9:00 マスキング作業
次にマスキングを開始。今回の塗る部分はボディの外側と開閉部の内側です。写真はドア内側のマスキングです。室内に塗料が入らないように覆いました。他にはボンネット内、テールゲート内も同様にマスキング。ここで使用したマスキングシートはさすがプロ用。紙の端にマスキングテープがついたシートがあるんです。これを使ってぐるっと貼れば完了。とっても便利でスピーディーなグッズでした。
2000.5.2 10:30 脱脂作業
マスキングが一通り終わると、次は脱脂作業。塗装面が汚れてては塗料の乗りが悪くなります。油分を取るためにシンナーを使って全体をよく拭きます。シンナーで拭いた後は乾拭きします。ただし、この時点では拭けば拭くほど、静電気が帯びてホコリがどんどん付いてしまいます。実は塗装前にホコリを取る作業が待っているのでした。
2000.5.2 11:00 エアロパーツから塗装
さあ、ついに塗装開始。ボディを塗る前にスプレーガンの使い方を教えてもらい、エアロパーツの塗装で練習を兼ねる。写真左がプロ用のスプレーガン。実はリーザをツートンカラーに塗るときにスプレーガンを使ったことがあったけど、使い勝手がかなり違った。つまみが3つあって、上から吹き出し広さ調整、噴出量調整、エア量調整です。噴出量はにぎり具合でも調整可能。でも出しすぎるとたれる場合があるので、限度を調整しておく。まずリップスポイラーを塗装しました。ダクトのように塗料が入りにくい部分には吹き出し広さを狭めて塗装。それが終わると広くして全体を塗装。慣れるまでちょっと時間がかかりました。ホワイトの塗装が終わると、今度はクリヤーで上塗り。こちらは一気に厚塗りします。たれないギリギリの仕上げが微妙な技術が必要。午前中にリップスポイラー、グリル、リヤスポイラー、サイドステップ、ホイール、エアロミラーの塗装を完了。
2000.5.2 13:00 ボディの塗装1 ホワイト
午後からボディの塗装をスタートしました。塗装の前にホコリ取りをします。のりの付いたウエスを使ってエアを吹きながらホコリをとっていきます。
次にテールゲート内側、ドア内側、エンジンルーム内と塗装の入りにくい部分を塗ります。そして、ボディ全体の塗装に移るのですが、最初に”捨て吹き”を行います。これは塗装ののりを良くするために薄く全体に塗料をのせます。その後、たれないように注意しながら本吹きします。塗る順番としてはルーフ、テールゲート、クオーター、ドア、フェンダー、ボンネットとぐるっと一周まわって塗るようなイメージです。
2000.5.2 15:00 ボディの塗装2 クリヤー上塗り
ホワイトの塗装が完了すると、仕上げのクリヤー上塗りです。ここで注意しなきゃいけないのが時間です。じっくり丁寧に時間をかけると失敗します。塗り始めたら一気に塗るのが一番きれいに仕上がります。なぜなら時間をかけるとミストが乾いてぶつぶつになってしまうからです。ミストが塗面に吸着して、溶け込むときれいな仕上がりになります。
といってもなかなかこれは経験が必要な作業です。私もうまくいきませんでした。でも大丈夫。ミストがついてしまった部分は後日磨きをかければきれいになります。
2000.5.2 17:30 マスキングはがし
さて塗装が完了してから30分くらいでマスキングをはがします。乾く前にマスキングをはがさないときれいにはがれません。塗料自体は2時間たてばほぼ表面は乾いてきます。指でふれても大丈夫。ただし、指を押しつけると指紋が残ります。ゆえに日帰りオールペンが可能なわけです。マスキングをはがしたあと、走行に必要な最低限度のパーツを元に戻します。これがけっこう時間がかかりました。結局完了したのは19:30でした。ジュントールのみなさんお世話になりました。
2000.5.4 セルフ・オールペンを終えて
軽自動車1台をオールペンするのにはボディのみで38700円かかります。自分でやればこれだけの値段で可能です。しかーし、それまでの準備が大変。下地づくりからパーツ外し、当日の作業。業者に頼んで20万〜30万円かかるのは当然だなとつくづく感じました。
実はセルフ・オールペンはここで終わりではありません。この後、ボディ全部を磨かないと仕上がりません。輝きをプロ並みに近づけるにはさらに努力が必要。まだまだがんばるぞ。
今後オールペンを考える方へアドバイスとしては、レンタルガレージでの作業をお勧めします。ボディ1台を塗るためにはその辺で作業するわけにはいきません。ましてホコリをシャットアウトする設備が必要。ジュントールでは換気扇のある塗装ブースがあります。さらに1日でオールペンの作業を完了するにはスタッフの段取りがあってこそ完了できる技なんだと感じました。ここまで読んでくれたあなたは、ぜひこのセルフ・オールペンにチャレンジしてみましょう!
2000.7.9 ボディ磨き
塗装後、10日後以降に仕上げである”磨き”を行います。私は1回では完了できず、2回目でようやく完了しました。この”磨き”がいかに大切かをこの2ヶ月で体感させられました。1回目の磨きで半分だけポリッシャーをかけ終えてました。すると磨いてない半分はすぐに真っ黒。塗面が荒れてるために汚れがつきやすいんです。
さて磨きについてちょっと説明します。まずはジュントールのスペシャルツール。左下の写真がポリッシャーです。左から霧吹き(水)、コンパウンド、電動ポリッシャー。ルーフを磨くのに必要な足場も用意されています。
まず塗面を2000番程度のペーパーでならしてからコンパウンドをバフに少しつけ、かるくポリッシャーをあてるとみるみる輝き出します。ただしパネル部品の角には要注意。すぐに塗面が薄くなって下地が見える危険があります。1台一気にやろうとしても無理。足腰が痛くなりました。左上のボンネットの写真を見て下さい。手前半分がポリッシャーをかけた後、奥半分はかける前。輝きは歴然です。